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2024年5月3日(金)

きょうの潮流

 ひとり暮らし世帯が増えています。その要因の一つに未婚率の上昇が。経済的理由で結婚を選択できない人もいますが、ライフスタイルが多様化していることもあるでしょう。少子高齢化がさらに進み、人口減少につながるとの懸念の声も▼ひとり暮らしを強くすすめられている人たちもいます。入所施設で暮らす障害者です。国は「地域移行」とうたい、削減目標を掲げます▼パニックになると物を壊したり、自分を傷つけたり、大声を出したり…。九内(くない)康夫さん(46)の次男(20)は自閉症で強度行動障害があります。3歳で自閉症と診断されたとき頭をよぎったのは「僕たちがいなくなったら誰がこの子の面倒をみるのか」▼22歳の長男にも自閉症があります。「弟を支えたい」。4月から雇用契約を結ぶ障害者事業所で働き始めました。「弟の精神的な支えにはなってほしいと思うけど、生活を丸ごと支えることは望んでいない。彼の人生には可能性がたくさんあるのだから」と九内さん▼そろそろ2人の息子は親元を離れてもいい年ごろです。子どもの将来を考えると、圧倒的に暮らしの場が足りません。入所施設の待機者数は全国で1万8千人超にも▼障害が軽度の人が多く利用するグループホーム。国は地域の中で、と重度障害者にも利用を促します。九内さんは「入所施設でも地域との交流は可能です。障害が重度だからこそ地域とのつながりが必要」と。障害者が安心して自分らしく生きられる、多様な暮らしの場がもっと必要です。


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